【旅行積立&旅行券】運営会社の倒産時はどうなる?
需要が「蒸発」した旅行業界
コロナ禍で苦境にたつ業種業界は様々ですが、もっとも影響を受けているのが飲食業、そしてレジャー産業、その中でもとりわけ旅行業が厳しいと言われています。
インバウンドはもちろん、緊急事態宣言中は国内の需要も蒸発しました。
旅行会社だけではなく、鉄道、航空、ホテルなどの関連業も厳しい展開。政府のGOTOキャンペーンには批判が大きいですが、この政策の評価はともかく、まさに「今」やらないと経済的に行き詰る人が大勢いると言わざるを得ません。
先日、業界大手のKNT―CTホールディングス(近畿日本ツーリストの持株会社)の売上高が、前年比で98%減になったとの報道がありました。
細かい内訳をみると、国内旅行は99・3%減、団体旅行(一般)は94・7%減、企画旅行は99・9%減、そして海外旅行は同99・2%減ということで、激減、半減といったレベルではなく、まさに蒸発しているという話です。
これでは業界大手でも相当厳しいのではないでしょうか。
さらにコロナ禍は、先が見えない怖さがあります。
旅行積立(旅行券)の存在が気になった
個人的な話ですが、実はこの報道にあったKNT―CTホールディングスの中核会社、近畿日本ツーリストの旅行券を持っています。
最初から「旅行積立」や「旅行券」だったわけではなく、資産運用を開始した初期の段階では銀行の定期預金としてコツコツ積み立てていたものです。
この定期預金にはいわゆる特典があって、旅行券として満期解約するのであれば通常の定期預金金利ではなく、1.5%のプレミアムがが付くという金融商品でした。
しばらく放置していましたが、この定期預金のサービスが終了することになり、解約しました。
解約して手元には積立元本から1.5%のプレミアムが付いた旅行券が残りました。特に有効期間もないので、どこかで家族旅行にでも使おうと漠然と考えていた感じです。金額としては海外旅行は無理そうだけど、家族で沖縄や北海道はいけるかな~という程度ですね。
あまり考えたくはないですが、コロナ禍が長期化した場合、業界大手であっても会社が傾く可能性はゼロではありません。当面は内部留保やボーナスカット、さらにはリストラで凌いだとしても、需要が戻ってこない限りは、どうにもなりません。
会社が経営破綻した場合 ⇒ 旅行積立&旅行券は保証されない
救済される可能性はあるが保証されるものではない
結論ですが、仮に旅行積立もしくは旅行券を発行している母体の会社が倒産した場合、積立金が全く戻ってこない可能性が高いです。
旅行代金の救済制度としては、旅行会社が加入している団体の種類によって、「弁済業務保証金制度」や「営業保証金制度」があります。普通の旅行会社であればどちらかに加入しています。
それぞれの旅行会社が掛金を出し合い、万が一会社が倒産した場合は保証金がが支払われるので、その保証金の範囲内での返金を受けられる可能性があります。
ただし、これらの制度はあくまで旅行代金の救済を目的にしているものであって、旅行会社に対する債権(積立金や旅行券)を救済するものではありません。
もちろん何らかの救済措置が入る可能性は否定できませんが、旅行積立も旅行券も基本的には保証はされないと思ったほうが賢明です。
ちなみに積立金であれば会社で管理する一般債権扱いになり、倒産した会社に残余の財産があれば、それを債権者全員に分配することになるかと思いますが、いずれにしても不透明なことであり、保証されているとは全く言えません。
コロナ禍の終息を信じて個人でできることをする【基本的な対策3つ】
早めに権利を消費する
このコロナ禍ではなかなか難しいですが、業者が取り扱っているものであれば同じ県内の旅行にも適用できるので、安全を確保しながら早めに使ってしまうのがもっともよい方法でしょう。
ちょっとした遠出や、帰省に活用するのはもちろん、友人知人へのプレゼントに使ってしまうという手もあります。
わたしも旅行券を何らかの形で消費するよう、考えたいと思います。
会社の業績に敏感になる
旅行券を発行している旅行会社の財務状態、株価などを細かくチェックし、危険な兆候があればすぐに換金できるように出口戦略を考えておくしかありません。
大規模なリストラや、株主優待の廃止、子会社の統廃合など、何か動きがあった場合は要注意です。
金券ショップに売却する
調べましたが買取価格は元の90%くらいのようです。残念ながら元本割れになってしまいますが、ゼロになるよりマシです。
もっとも倒産の兆候が見えだすころには「買取中止」になっている可能性が高いので、まさにタイミングが命です。
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