きのうのブログでも少し書きましたが、2008年に資産運用を始めてから12年が経ちました。12年前は貯金ゼロ、投資経験ゼロで、良くも悪くもその日暮らしといった感じでした。
初めの2年くらいは運用と言っても定期預金をしたり、外貨預金を買ってみたりとそんな状態でしたが、2010年あたりからインデックスファンドの存在を知り、それと同時並行で資産運用に関するいろいろな本を読み漁る経験が重なって、それ以降は長期・分散・積立を基本にした資産運用をコツコツと続けています。
昨今は、なぜ資産運用をする必要があるのか? という切り口で運用の必要性を問う専門家やメディアが多いわけですが、それよりも「資産運用をするとこんなメリットがあるよ」ということを、経験に基づいて話したほうが、賛同を得られやすいような気がいます。
というわけで今回は、これまでの12年の経験から私が資産運用を始めて良かった点についてまとめてみました。
資産運用をやってよかったこと【具体例8つ】
資産が増えた
これについては結果論的な部分もあるので明確なメリットとは主張できませんが、事実ベースとしてこの12年で資産が増えました。12年前に貯金がまったくなかったことを考えると、隔世の感です。
年収は大して上がっていませんが、資産だけは順調に増えました。もちろん、この間の市場が基本的に上がり調子だったことは否定できませんが、節約に励み、休むことなく投資を継続できた(市場に資金を投入し続けた)ことは確かです。
リーマンショック以外にも、チャイナショック、アメリカの財政の崖問題、ギリシャショック、英ブレグジット、そして今回のコロナ危機などいろいろ騒がれる局面はありましたが、一方的に株価が下がり続けるような暴落は、リーマンショック後は起きていません。
さすがにコロナ危機によって暴落か!?と思ったんですが(実際に暴落しましたが)、春先からすぐに反転してしまって、元の水準に戻ってます。
支出のコントロールができるようになった
資産運用を始める前は満足な貯金もなく、「あればあるだけ使う生活」、その日暮らしならぬその月暮らしという状態でした。別に貧困に陥っていたわけではなく、毎月20万円程度の収入はあったはずなのに、すっかり消えてしまいましたね。
運用、特に積立投資を始めると毎月掛け金の拠出が必要になるので、自然と支出がコントロールできるようになります。強制的に振り分けるようにしていたので、給料天引きと同じような効果です。
予算の袋分けや、毎日の家計簿管理など、それなりの支持を集める管理法はありますが、あまり細かく必要はなく、はっきりいってめんどくさい。
それよりも最初におおまかなお金の流れだけを確定させておけば、そのあとに多少の浪費があったとしてもなんとかなります。
お金に関するストレスが減った
勘違いしてほしくないのは、資産が増えた=ストレスが減った という因果関係ではないということ。いくら資産を持っていても、不安で不安で仕方がないという人は山ほどいます。
私の場合は、「これまで10年以上コツコツと資産形成をやってこれた」という自信と「最適な運用を現在進行形でやっている」という安心感が、自分の中に落とし込めたので、あまり深く悩むことがなくなった気がします。
金銭的な将来不安もほとんどなくなりました。子どもの教育資金の問題や、変動金利で借りている住宅ローンなど不確定要素はありますが、それらを差し引いても「なんとかなる」と思えています。これらは根拠のない甘い見通しではなく、それなりの計画性、数字に基づいています。
不安要素がまったくないわけではありませんが、漠然とした不安というものは消えました。
仕事への依存度が減り、余裕が生まれた
資産の形成が進んできて、かつお金の不安がなくなってくると、仕事に対する意識にも変化が出てきます。簡単に言えば、仕事への依存度が下がってきます。
もちろん私も勤め人ですし家族を養っている身ですから仕事を失うのは困りますが、仮に失っても今すぐ困ることはありません。生活防衛資金は2年以上確保していますし、今の時代、選ばなければ仕事なんて吐いて捨てるほどあります。住宅ローンが払えなくなったら賃貸に戻ればいいだけ、生活コストについても躊躇なく下げるだけ。私の場合、モノや世間体に対する執着もほとんどありません。
「どうしてもいやになったらやめればいい」「いつでもやめられる」と思っていると、案外と心に余裕が生まれて仕事に取り組めるものです。社内政治とか出世とかそういうものにも執着する必要はなくなりますし、無駄な飲み会やサービス残業なんかについても笑顔で拒否できます。
わたしにも経験がありますが、明日の生活、来月の生活を会社に握られている状態だと、嫌なことを嫌と言えず、毎日が我慢の連続になり、それができなくて辛いですよね。
「いつでもやめられるけどやめない」のと「やめられないからやめない」は、まったく心の余裕が違ってきます。結局のところ、いつでもどこでも稼げる力を身につけるか、やめても困らない生活力を持つか…の2つしかありません。
そして前者と後者を比較した場合、圧倒的に難易度が低いのは後者です。
あらゆる場面での選択肢が広がった
資産の形成が順調に進んでくると、あらゆる場面での選択肢が広がります。一言でいうと、「お金がないから諦める」ということがなくなります。
私の場合、金融資産が1000万円を超えるようになったころから、意識が変化しました。1000万円あれば、住宅以外のモノについては、キャッシュで買うことができます。
だからといって極端に支出が増えるわけではないですが、前項の仕事の話と同じように、「買えるけど買わない」と「買えないから買わない」の差です。
これが心の余裕として跳ね返ってきます。
お金の使い方で後悔をすることがなくなった
どうしてあんなものを買ったんだろう…的な後悔をすることがまったくなくなりました。
お金の使い方を「消費」「浪費」「投資」と区別して、そのうち「投資」額については毎月固定されているので、仮に消費や浪費が増えたとしても、動揺しなくなりました。
因みに浪費を0にするというのは現実的じゃないです。無駄と思えるお金の使い方にも思わぬ効用があったりするし、遊びの部分がまったくないとそれはそれで息が詰まります。
重要なのは浪費と位置付けられるものにも、「予算」を立てて使ってみること。
例えばギャンブル。無駄の権化みたいな言い方をされていますが、1回の予算、1か月の予算を決めてその範囲で計画的に楽しむのであれば、まったく問題ない趣味だと思います。
浪費であったとしても、それを浪費だと意識して使えれば、その瞬間から浪費が必要な趣味への支出(消費)になります。
継続することの大切さを学んだ
資産運用に限らずですが、特に資産運用において「継続すること」は重要です。
10年以上も投資をやっているとそれが完全に生活の一部(習慣)になります。やっている感がどんどんなくなってきて、気づいたら継続できていたという状態になってきます。
資産運用の場合、「努力」や「根性」といった泥臭いものはまったくの不要で、毎月、投資を継続していく仕組みさえ確立してしまえば、極端なはなし、あとは放置してもOK。
この場合、 放置=続けること なので、ネガティブなものではありません。
リスクへの考え方が変わった
投資歴は12年目なのでまだまだ長期投資家と言える段階ではありませんが、それなりに資産を増やせていること、リターンを得ていることは、適切にリスクを取ったからともいえます。
資産運用を始める前は リスク=怖いもの、避けるべきもの と考えていましたが、いまでは適切なリスクは取りに行く、という思考に変わりました。
これは何も資産運用に限ったことではなく、日常の生活でも同じような思考をするようにしています。あまりにもリスクに過敏になり、リスクから避けてばかりいると、ツマラナイ人生になるのは目に見えていますからね。
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