マンションすまいる債のメリット・デメリット【個人向け国債と似ている】

預金/定期/国債/MRF

私が居住しているマンションは、管理費と修繕積立金について、以下のような形で管理しています。

・短期的に使うあてがある資金  普通預金 あるいは 決済型の銀行預金
・長期的に必要になってくる資金 決済型の銀行預金 あるいは すまいる債

まず短期的に必要になるお金については、普通預金と決済型預金で運用しています。

決済型預金とは、利息は付かない代わりにペイオフの対象にもならない預金のことです。世帯数にもよりますが、多くのマンションの場合、積立金が億単位になってしまうので元本の安全性がなによりも重要。なので決済預金にするのは理にかなっています。

因みに普通預金についてもペイオフ対策も兼ねて、複数の銀行に預金しています。

そして残りを「すまいる債」という債券で運用しています。

私も管理組合の議事録を確認するまで知らなかった金融商品です。今回はこのあまり一般的ではない「すまいる債」について解説したいと思います。

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マンションすまいる債のメリット・デメリット

すまいる債の概要(金利は低いが個人向け国債と同じメリットあり)

正式名称は、「マンションすまい・る債」です。点の区切り位置の意味はよくわかりません、、、、「住まい」に「る」を付けたということでしょうかね。。。

半官半民の住宅金融支援機構が発行している債券で、修繕積立金の計画的な積立て・適切な管理をサポートすることを目的にしています。

主な特徴は次のとおり。

・利付10年債で、毎年1回(2月予定)定期的に利息が支払われる

・1口50万円から購入可能で、最大10回継続して積立ができる

・初回債券発行日から1年以上経過すれば修繕工事目的などで換金可能(手数料なし)

 

一般的に債券を途中換金した場合、その時の金利情勢によって債券単価は上下しますが、すまいる債は途中で解約しても元本が保証されるというメリットがあります。どこかで聞いたことがあるような…そう!個人向け国債と同じ仕組みですね。

災害はいきなりやってきます。急な災害が発生してマンションで緊急に修繕や補修が必要になった場合でも、元本が保証された状態で換金・解約できるのはそれなりのメリットです。

因みに、2020年度発行の債券の10年満期時年平均利率は0.080%(税引前)です。固定型ではありますが現状販売されている個人向け国債よりは多少マシといった水準ですね。

他に、加入することによって以下の特典が付帯されます。

・マンション共用部分リフォーム融資の金利  ⇒ 年0.2%引下げ
・マンション共用部分リフォーム融資の保証料 ⇒ 2割(程度)引き下げ
・管理組合向けのマンション管理セミナーへの招待
・管理に関する情報提供(行政、関連団体が主催するセミナーの開催情報など)

安全性(政府の保証はないが発行体が破綻する可能性は極めて低い)

すまいる債は預金ではないので、預金保険制度の対象にはなっていません。また、政府の保証がついているわけではないので、発行体が破綻時の保証もありません。

ただし債券を発行している住宅金融支援機構は、その資本金の全額を政府が出資していており、金額にするとその額は7000億円以上です(2019年現在)。

そして出資者は国土交通大臣と財務大臣です。また債券は国の認可を受けて発行しているため、民間企業が破綻するようなイメージとは異なります。

また、すまいる債の積立金については、法律で機構の財産より優先的に弁済されることが定められており、財産を保全するための措置が講じられています。

つまりそもそも破綻するリスクは小さいうえに、万が一破綻した場合も優先的に保護されるようになっているため、防波堤が2つある状態です。

因みにこのすまいる債の格付けはありませんが、機構自体の格付けはあるようです。

  • S&Pグローバル・レーティング・ジャパン(S&P):A+(2020年4月1日現在)
  • 格付投資情報センター(R&I):AA+(2020年4月1日現在)

 

すまいる債を利用するための条件

すまいる債はどのマンションでも購入できるわけではなく、利用するための条件があります。まず大前提となるのは、対象が区分所有である分譲マンションであること。賃貸マンションは対象外です。

そのほかの主な条件は次のとおり。

・機構融資を利用し、共用部分の修繕工事を行うことを予定していること

・管理組合が存在し、管理規約が定められていること

・長期修繕計画の計画期間が20年以上であること

・反社会的勢力と関係がないこと

 

一見すると、厳しい条件という感じではないですね。普通のマンションは管理組合が組織されていますし、規約も制定されています。最近は修繕計画も20年どころか、30年以上で設定されていることが普通です。

因みに最初の条件にある機構融資の利用ですが、最終的に利用に至らなかった場合でもとくに違約金等は発生しません。

すまいる債のデメリット

満期まで持たないと低金利

満期まで債券を所有したとしてもこの低金利ですから、あまり利息収入は期待できません。そして途中で換金してしまうとその利息収入すら入ってこなくなります。

10年が満期なので今後10年間は確実に使用しない資金を預けることになりますが、マンションの大規模修繕は10年~12年程度でサイクルが回ってくるので、管理組合がうまく調整をしないと修繕時期にキャッシュが足りないという事態が発生します。

その場合は取り崩すか修繕時期を延期するかのどちらかになりますが、後者の場合は総会の議決が必要になりますし、安易な修繕時期の延期は建物へのダメージ蓄積につながりますので、その点も考慮する必要があります。

 

100%安全ではない

上の説明で極めて安全性が高いと解説しましたが、もちろん100%ではないです。実質、国有企業が発行しているようなものなので、民間企業に比べて安全性は段違いですが、絶対ではありません。

全額戻ってこないということは考えにくいですが、一部が棄損して返還されるという可能性はゼロとは言えません。その場合は、元本割れが発生するリスクはあります。

 

すまいる債を利用している管理組合の総数・割合

住宅金融支援機構のホームページによると、すまいる債を利用している管理組合は約2万組合とのこと。マンション全体としての割合は示されていませんでした。

全国に存在しているマンションの組合数については公式データがないので推測するしかありませんが、マンション戸数のストック数は約600~700万戸といわれており、このうち半分が分譲マンションだと仮定すると、300万~400万戸になります(ストック数については国土交通省にデータがありましたが、分譲マンションと賃貸マンションの割合については見つかりませんでした)。

ざっくりと対象世帯を400万戸とし1つのマンション(組合)が50世帯で構成されていると、組合数は約8万となります。すまいる債を利用している組合は約2万ですから、この過程の場合だと全体の4分の1程度ということになりますね。

いずれにしても、利用率は全体の半分以下ということになりそうです。

 

まとめ

すまいる債についてまとめます。

住宅金融支援機構が発行している債券であり、安全性が高い
利付10年債で低金利だが条件を満たせば途中で換金しても元本が保証される
対象は分譲マンションのみ。他にいくつかの条件がある。加入組合には特典あり。
元本の棄損や流動性の低下などのデメリットがある
利用している組合は約2万組合。全体での割合は高くない。

 

個人的にはわざわざこの金融商品を使う必要はないかと思いますが、ダメな商品というわけでもないかな~という評価です。

自分が住んでいるマンションの総戸数と積立額からざっくりと計算したところ、年間で数万円程度の利息は期待できそうなので、収入の足しになっているとはいえますね。

 

 

 

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