私は今、「仕事を辞めようと思えば辞められる状態」にあります。
もちろん、超富裕層でもなければ、一生遊んで暮らせるほどのお金があるわけでもありません。ただ、生活水準を大きく変えなければ、仕事を辞めたり、働き方を変えたりする選択肢を現実的に持てる状態です。
ところが、そんな状態になった今、私が思うことがあります。
「結局、仕事を辞めたいと思わなくなった」
「いつでもセミリタイアできるので、そう思ったらすぐにセミリタイア意欲もなくなった」
これは資産形成を始めた20代の頃には想像していなかった結論でした。
今回は、「仕事は辞められるけど辞めない」という、少し不思議な感覚について、私なりの考えを整理してみたいと思います。
昔の私は「会社を辞めたい」と思っていた
正直に言うと、若い頃の私は「仕事を辞めたい」と思うことが多かったです。仕事のストレス、人間関係、将来への不安、評価への焦り――。
「このままでいいのか」と悩みながら働いていました。
特に、貯金が少なかった頃は精神的な余裕がありませんでした。
生活費のために働かざるを得ない。嫌なことがあっても、理不尽なことがあっても、簡単には辞められない。この「逃げられない感覚」が、実は一番苦しかったのだと思います。
ただ、資産形成を続けていく中で、少しずつ気持ちが変わっていきました。
「いつでも辞められる」が精神的な自由をくれる
資産形成の最大のメリットは、お金そのものではありません。私が本当に価値を感じているのは、 「選択肢を持てること」です。
極端な話、嫌なら辞めてもいい。部署異動がつらいなら異動してもいい。人間関係が厳しいなら距離を取ってもいい。最悪、仕事を辞めても生活がすぐ崩壊するわけではない。
この安心感は、精神面にものすごく大きな影響を与えます。
「辞められない」と「辞めてもいい」は、同じ職場でも世界が違う。
不思議なのですが、「辞められる」と思えるようになると、逆に仕事が楽になります。以前なら気になっていた評価も、まったく気にならなくなる。多少の理不尽があっても、「まあ、最悪辞めればいいか」と思える。そうなると心に余裕が生まれ、人間関係も不思議と楽になる。
結果として、以前より働きやすくなるのです。
資産形成によって得た最大のリターンは、運用益ではなく、 「心の余裕」なのかもしれません。
会社員の福利厚生は、想像以上に強い
資産形成を進めた結果、私は一つの結論にたどり着きました。
「会社員はかなり強い制度の上にいる」
FIRE(経済的自立・早期リタイア)が注目されがちですが、私はむしろ、ある程度資産がある状態で会社員を続けるほうが合理的だと感じています。
理由をいくつか書いていきます。
① 健康保険の付加給付が強い
会社員の健康保険組合は、かなり手厚いことがあります。高額療養費制度に加え、独自の付加給付があるケースも多く、医療費負担が軽く済みます。
病気やケガは、年齢を重ねるほど現実的なリスクになります。個人事業やFIRE状態になると、当然ですがこうした恩恵がなくなります。
② 社会保険料の「会社折半」は強すぎる
意外と見落とされがちですが、会社員最大の恩恵の一つがこれです。社会保険料は、実質的に会社が半分負担しています。
もし自営業やFIRE状態になると、この負担がそのまま自分に跳ね返ってきます。会社員を続けるだけで、見えない給与をもらっているようなものです。
③ 人間ドックや健康診断の補助
40代になると、健康の重要性を嫌でも意識します。会社負担で健康診断や人間ドックを受けられる制度は、かなりありがたい。
先日、人間ドックを申し込みましたが、健康保険組合からの助成が3万円超ありました。こういう恩恵は、フリーランスや自営業では期待できません。
④ 有給休暇という強力な制度
会社員には、有給休暇があります。これも実はかなり大きい。平日に家族旅行へ行く。子どもの学校行事に参加する。疲れたら少し休む。
働きながら、人生の自由度を確保できる制度です。
こうして見ると、 「資産形成 × 会社員」という組み合わせは、実はかなり合理的なのです。
私は出世レースから降りました
もう一つ、大きく変わったことがあります。出世や評価への執着が(もともとほとんどなかったですが)かなり薄れたことです。
もちろん、評価されれば嬉しいのですが、それが人生の中心ではなくなりました。生活の安心が会社の評価だけに依存していない状態だからですね。
出世しなくても生活は困らない。だからこそ、肩の力を抜いて働ける。必要以上に競争せず、自分のペースで仕事をする。
気楽に、でも一定の責任感は持ちながら働く。これくらいが、今の自分にはちょうど良いと思っています。
それでも働き続ける理由。子どもへの影響を考える
では、なぜ辞めないのか。理由はいくつかありますが、子どもの存在はかなり大きいです。
私は、「働かなくても生きていける」という姿を、子どもに見せすぎるのは少し違う気がしています。もちろん、将来的に自由な働き方を選ぶのは良いことです。でも、まだ子どもが育つ途中の段階では、 「大人は働くもの」という感覚は、ある程度持っていてほしいとも思っています。
子ども事態の自立心が確立するまでは、そういう姿勢を、言葉ではなく姿勢や行動で見せたい気持ちがあります。
「働かなくてもいい」ではなく、「働かなくてもいいけど、自分の意思で働いている」
この違いは、意外と大きい気がしています。
結論:資産形成のゴールは「辞めること」ではない
昔の私は、資産形成の先に「仕事を辞める未来」があると思っていました。でも、今の答えは少し違います。
本当のゴールは、「辞めてもいい状態を作ること」すると不思議なことに、仕事が嫌ではなくなる。心に余裕が生まれる。出世競争から距離を置ける。そして、自分の意思で働き続けられるようになる。
もし今、仕事がつらい人がいるなら、無理に「好きな仕事」を探さなくてもいいかもしれません。まずは、 「辞めても困らない資産」を少しずつ作ること。その積み重ねが、人生の自由度を上げてくれると思っています。
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