最近、投資環境は絶好調という方も多いのではないでしょうか?
私もその1人で、日に日にリスク資産の評価額が上がっています。まさに稲妻が輝く瞬間に立ち会うことができました。
もちろん投資環境によるもので、自分の実力ではありません。こういうときは、不用意に気が大きくなってしまうオーバーコンフィデンスに気をつけるとともに、投資環境が逆回転したときのダウン
サイドリスクを算定しておくと安心できます。
算定についてはいろいろと方法があるかと思いますので、人それぞれ自分にあったやり方でよいかと思います。厳密にやってもよいのでしょうが、計算手順が複雑になってしまい続きません。
私はこんな感じで算定しています。
①安全資産の算定
まず最悪な事態に陥った場合でも影響を受けない資産の割合を算出します。普通預金、定期預金、国債、そして生活防衛資産の比率が全資産の何割程度あるかを計算します。社債については扱いに迷うのですがあくまで最悪な状態を想定するということで、ここではリスク試算として扱いました。
安全資産率=安全資産の合計/全資産の合計
私の場合これが49%でした(2月3日現在)
以後の計算を簡単にする為に50%とします。
とりあえず絶対に安全な資産が50%あるので、リスク資産が無価値となっても財産の半分は保全されることになります。
※ここでは急激なインフレ等は想定していません
※日本国政府が破綻しないことを前提にしています
②リスク資産内の比率
残り半分はリスク資産ということになります。それぞれのアセットの内訳をまず確認します。
・日本株式 16%
・外国株式 18%
・外国債券 8%
・その他 8%
比率をちょうど2倍するとリスク資産内のみでの比率に変換できるので、
・日本株式 32%
・外国株式 36%
・外国債券 16%
・その他 16%
となります。当然ですが、合計で100%です。
「その他の資産」には、コモディティや社債、REITなどが含まれています。
③最悪な状態の仮定
各リスク資産が最悪の場合、どのくらい毀損するのかを想定します。ここでは100年に1度と言われた「リーマンショック」級の暴落が来ることを想定しました(実際にはさらにキビしめの数値にしてます)
この辺はあまり厳密に計算することはありません。ざっくりで充分です。ただし、自分の都合の良い方向にバイアスがかかりやすくなるので、そこは鬼になって、キビシメの下落率を設定したほうが良いかと思います。
・日本株式 ※現値からの下落率50%
・外国株式 ※現値からの落率60%
・外国債券 ※現値からの下落率30%
・その他 ※現値からの下落率70%
※社債はデフォルトを想定(一切の権利を放棄)
※円は1ドル70円を想定
④影響度を算定
・日本株式 16%の毀損
・外国株式 21.5%の毀損
・外国債券 4.8%の毀損
・その他 11.2%の毀損
合計の毀損率は53.5%ですので、全資産に与える影響は26.75%となります。例えば保有資産が1000万円だとしたら、7,32万円まで減るという結果です。
私のリスク許容度は全資産の3割と想定しています。
生活防衛資金や定期預金というクッションのおかげで、リーマンショック級よりやや強い暴落にあたってしまっても、毀損率は26.75%で済むのであれば、とりあえずは安心です。これを事前に知っているのと知らないのとでは、全然余裕というか心構えが違ってきますので、計算しておいて損はないです。
ここを想定しておけば、暴落局面に陥ったとしても投売りをする心境にならずにすみます。私が投資のバイブルとして活用してる『投資戦略の発想法』にも、「ゆっくりと確実に、長期間市場に留まり続ける…それが個人投資家のみができる必勝の投資戦略なのです」と書かれています。
いかなる状況に置かれても、市場から撤退してはいけません。
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