高配当株投資を検討したけどやめた理由5つ
ここ数か月、投資のサテライト戦略の一環として高配当株投資について検討してみましたが、結局は見送ることにしました。
自身が保有しているリスク資産の9割弱がインデックスファンドで構成されており、今後もインデックスファンドを軸に資産形成をしていく意思に変わりはないのですが、「経験」や「面白さ」を買う意味で、高配当株にも挑戦してみようと検討していました。
結果的にはナシでした。
なぜナシという結論に至ったのか。大きく分けて5つの理由がありますので、解説します。
投資方法としての合理性に欠ける
中長期的な資産の最大化を目標にするのであれば、高配当投資は税金の繰り延べ(先送り)ができないという点で明らかに合理性に欠けます。
得られた配当をすべて再投資したとしても、いったんは税金が確定しているのでインデックス投資のほうが合理的だという事実は動きません。
最大の味方である複利効果を手放すことになります。
株式市場が好調なこともあり現役世代を中心に高配当株投資の人気が高まっているような感じもしますが、これって定期的に配当を出しているということは、一昔前に一世を風靡した毎月分配型投信とやっていることは同じですよね。。。
個人的な話ですが、私の場合は住宅ローン控除の控除枠が余っている状態なので、ここでかかった税金を取り戻すこともできますが、そもそもそういった作業が発生すること自体がメンドクサイという話になってしまいます。
投資対象が成熟企業(成長性は期待薄)
高配当株の多くがいわゆる成熟企業です。インフラ系、商社系、銀行系などが代表格。安定しているともいえますが、今後ますます世の中の流れは加速し、大企業と言えども10年20年先はどうなるかわかりません。
また配当を多く出すこと=ロクな投資先がない、という考え方もあります。
成長余地が乏しいのであれば、株価の伸長も期待薄。インデックス投資は世界全体の成長に賭けるという大義名分がありますが、高配当株投資にはそこまで強いメッセージが見つかりません。
素人知識では減配リスクに対応できない
高配当銘柄の注意点として、株価が下落している銘柄の配当利回りが結果的に高く見えてしまうことが挙げられます。
株価が低迷している原因について、財務分析や関連ニュースのチェックが欠かせませんが、素人知識で正確に判断できるものではありませんし、入念にチェックしたところで大やけどを回避できる程度の効果しかなく、気休めにしかなりません。
経営低迷での減配リスクもありますし、そもそも高配当に吊られて購入している層が一定数いるので、減配は株価の下落に直結します。
配当金を得るメリットをあまり感じない
今回見送った一番の理由がコレになります。
配当金投資の一番のメリットは、定期的に配当金を得られることによるキャッシュフローの改善だといわれています。
たとえインデックス投資に比べて非合理だと言われても、定期的な配当金というのは収入の複線化にもつながり、確かに魅力的にみえました。
とはいえ、それなりの配当を得ようとすれば、投資元本もそれなりに必要。数百万円程度の小資本では配当もたかが知れています。
取らなければならないリスクに比べれば、明らかに効率が悪い。
このへんの感覚については個人差があるので何とも言えませんが、私の場合は、
※定期的に配当金を得られる嬉しさ
よりも
※合理性に欠ける投資をしていることへのストレス
※減配のリスクに対する不安
という意識・感情のほうが、勝っているのがわかったのでメリットはないと判断しました。
ロクな投資商品がない(特に投資信託!)
高配当株へ投資するのであれば、個別銘柄のリスクは取れないので、投資信託かETFになるかと思うのですが、案外といいなぁ~と思う商品が正直見当たりません。
私 SBI証券をメインに使っていますが、とくに投資信託は手数料が高いものが多く、候補となるファンドが楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドくらいしかありませんでした。
国内ETFについてもロクなものがありませんし(そもそもJTをはじめとした日本企業の高配当銘柄が微妙な気もする)、海外ETFであれば、SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)や米国高配当株式ETF(VYM)などが手数料や安定性の観点から候補になるかと思いますが、二重課税の問題が面倒ですし、ETFだと購入時の手数料がかかります(一部無料になるものもあります)
一応、SBI証券であれば定期買付サービスがありますが、投資信託のように金額単位で購入できるわけではないので(設定自体はできますが最低購入単位が大きいために投資信託のように金額を揃えてきれいに購入できない)、投資信託のような小回りが利かないのが難点です。
もし高配当株に投資するのであれば・・・
以上のような理由で今のところは高配当株に投資する予定はありませんが、投資方法としては単純に興味があるし、上で少し書いたように、「勉強」や「経験」になるのであれば、実体験として購入するのはアリだと考えています。
その場合は、海外ETFの中から手数料の割安なものを選んで、そこから10年くらい放置してみる…という感じになるかと思います。
とにかく投資方法の合理性という意味ではインデックス投資に分があると思っているので、そこだけはブレずにやっていきたいですね。
コメント