【お金に色はない】教育費の準備に目標額を設定する意味がない理由3つ

雑記(子育てネタ)

多くの子育て世帯にとって、子どもの教育費の準備は共通の課題です。どのように貯めるか、そしていつまでにいくら必要か…こういった算段を立てては悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そんなとき、ファイナンシャルプランナーはきまってこんなアプローチから解説を始めます。

いつまでにいくら必要か、まずは必要な費用の目安を確認しましょう

 

そして、公立の場合、私立の場合、理系の場合、留学の場合…と、それぞれのパターンごとに必要な金額を示され、「この必要額を準備するためには…」という方向に進みます。

ですがこの考え方は、本当に正しいのでしょうか。

常識的な考え方であることは否定しませんが、教育費に関していえば必要額を見積もったり、それを目標にして教育資金を形成していくという方法は、やや合理性に欠けると考えています。

なぜかというと、教育費というものはほかの生活費(例えば住宅費や医療費など)と比べてもあまりにも「変数」が多く、必要額の見積もりが困難だという理由です。

今回は教育資金を準備する際に、目標額を設定する必要がない理由について解説していきます。

 

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教育費の準備に目標額を設定する必要がない理由3つ

繰り返しになりますが、将来の教育費を予測するには「変数」が多すぎます。

◆ 将来の学費が予想できない
◆ 将来の進路が予測できない
◆ 政府の政策が流動的
 
はじめに結論ですが、これが教育費の準備に目標額を設定する必要がない理由になります。つまり将来のことは全くわからないので、設定しても無意味だということ。
 
順番に見ていきましょう。
 

学費はデフレと関係なく高騰し続けている

文部科学省の統計によると、大学の授業料は国立・私立問わず一貫して上昇を続けています。

下記のグラフは、国立大学の授業料の推移です。

日本は長らくデフレ経済が続いていますが、なぜか学費については毎年のように値上がりが続いており、わずか5年前の相場が通用しなくなっている状況です。

今後も少子化が加速していくのは決定的ですから、経営が厳しくなる教育機関が増えることは容易に想像できます。値上げできるところ(選ばれる大学)と、値上げできないところ(選ばれない大学)の格差がますます激しくなり、後者の大学は経営に行き詰るところも出てくるでしょう。

国立大学ですら独立行政法人(つまり独立会計)になってしまい、自らの手で収入を確保する努力が課されるようになっていることから、今後も授業料の高騰は避けられそうにありません。

こんな状況ですから、10年後はもちろん、18年後の学費なんてどうなるかわかるはずもなく、今の時点で必要額を見積もったところで、あまり意味はないかと思います。

 

子どもの進路は子ども次第(コントロールできない)

これも当たり前のようで、(私を含めて)わかっていない親が多いように思います。

親の思った通りに進学してくれるわけでもないし、志望校に合格するかどうかもわかりません。進学という選択が留学に飛躍したり、あるいは逆に進学しないで就職という選択肢もありえます。

試験の合否は時の運、本番に実力を発揮できる保証はどこにもありません。また、志望校のレベルによっては実力を発揮したところで実力不足でした…という場合もあるはず。

・公立コースを予定していたが、途中から私立に通わせることになった
・私立に通わせようとしたが、受験に失敗して公立小学校になった
・外国に興味を持ち留学したいと言い出した

3つとも普通にあり得ること。1番目の場合は教育資金が足りなくなりますし、2番目の場合は教育資金に余裕はできますが、よくよく考えてみると資金の運用効率という面で問題がありますよね(その分を投資に回しておけば…という機会損失)。3番目になった場合はそれこそ、留学先によっていくらかかるか全くわからなくなります。

 

政府の政策も常に流動的

ここ数年の間に高等教育の無償化や、幼児教育の無償化が実現しました。また返済義務がない奨学金についても拡充される方向で動いています。

2010年 高等学校等就学支援金制度が開始(公立高校の無償化)
2016年 ジュニアNISA創設
2019年 幼児教育無償化が開始
2020年 高等学校等就学支援金制度が改正(私立高校の無償化/所得制限あり)
     給付型奨学金&授業料減免の新制度が開始(住民税非課税世帯)

 

政府の少子化対策については批判的な部分も多いですが、子育て世帯に対する経済的支援については間違いなく拡充しています。

既に時期を逸したという皮肉もありますが、だからといって何もしなければさらなる少子化・高齢化・人口減少…という悪循環なので、国の教育費に関する予算は拡大せざるを得ないと私は予測しています。

いずれにしても政府の政策がかなり流動的なことは確かであり、この政策の如何によっては必要な教育費の見積もりが大きく変わることになります。

 

教育資金として限定せず、資産運用の中で最適化を図るべき

上記のように教育資金についてはその必要額を決める際の「変数」が多く、予想自体が困難であるため、目標額を設定する意味はないかと思います。

教育費という枠を作るのではなく、資産形成の一部として最適化を図っていくほうが合理的ではないでしょうか。

 

○歳までに○円必要ではなく資産○円の中から○円を教育費にあてる

 

家計の資産全体をどう拡大していくか”のみ”に注力すべきであり、その結果として形成された資産からその時々に応じた必要な教育費を捻出したほうが、合理的(無駄がない)と思います。

 

 

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