【書評】『積立投資のすべて』

マネーリテラシー

星野泰平氏の著書『積立投資のすべて』を読みました。既に何人かのブロガーの方が取り上げていらっしゃいますが、噂に違わぬ良書だと思います。

 

 

 

 

◆ 積立投資の効用が分かりやすく記載されている
◆ 積立投資の不利な面も強調されている
◆ 最終的には一括投資と積立投資の併用を勧めている

 

積立投資のすべて…というタイトルであって、積立投資のすすめ!ではないというところがミソ。

積立投資は一括投資に比べて、有利でも不利でもない。どちらも一長一短がある投資であり、それらの特徴を充分に知った上で、併用するのが望ましいというのが基本的な結論です。

積立投資の弱点を明確に把握できたことは、大きな収穫でした。復習として本の内容を、簡単にまとめておきます。

 

積立投資の特徴
・値下がり安心効果…値が下がっても口数を稼げる
・スピード回復効果…損からの回復力が大きい
・リバウンド効果…下がった後に上昇するとリターンを得られやすい
・値上がり効果…単純に値上がりしても利益となる
・タイミングフリー効果…はじめるタイミングに悩まなくて済む
・プロセス効果…途中のプロセスで成果が変わる
・エンディング効果…終わり方が大事
・継続効果…続けることが大事(口数を稼げる)
・予測不要効果…細かい予測はいらない
 
◆ 相場がどんなに下げても抵抗力がある
◆ ポートフォリオにかかわらず継続することで損失に終わる確率を抑えられる
◆ 赤字化しやすく黒字化しやすい
◆ 一括投資に比べて期待値が高いとは決して言えない
 
上昇局面の比較
◆ 一括投資のほうがリターンが大きいが、利益を得られるのは持ち続けていられた人だけ
 (上昇局面も不安を抱える)
◆ 積立投資は一括投資に比べてリターンは小さい

下落局面の比較
◆ 一括投資の場合、下落局面は単に耐える期間となる
◆ 積立投資の場合、口数を稼げる先行投資期間となる

価格の上下による心情
◆ 一括投資は上昇局面でも下落局面でも不安を感じてしまう
◆ 積立投資は価格の上下によるストレスから開放される

補足(よくある誤解)
◆ 分配金の再投資=複利運用ではない
 ※再投資とは単に口数を減らさないようにするための手段

内容盛りだくさんで、とても勉強になりました。

 
また、一括投資の性格が強い「ボーナス投資」についても、年2回…などと回数を設定すれば、長期的なスパンで見た場合、期間をあけた積立投資になるという点は盲点でした。私は資産運用方針の中でボーナス投資を原則禁止していますが、考え方を改める契機になりそうです。

時間をおいて、再読することで知識として落とし込みを図ります。

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