【徹底解説】iDeCo(個人型確定拠出年金)のデメリット10選!

iDeCo(個人型確定拠出年金)
老後の資産形成の手段として話題に上ることも多くなってきたiDeCo(個人型確定拠出年金)ですが、利用率がイマイチ低迷しています。
 
グラフだけを見れば順調に加入者数が伸びているようにも思えますが、全就業者からの割合を考えてみると、まだまだ本格的には認知も活用もされていないのが現状です。
 
引用:企業年金連合会(確定拠出年金の統計)
 
 
運用の必要性を感じつつ、またiDeCoのメリットについても理解はしているものの、なかなか最初の一歩が踏み出せない方が多いのではないでしょうか。
 
 
◆「なんとなくメリットはわかったけど、デメリットがイマイチわからない…」
◆「うまい話には裏がありそうでこわい」
◆「デメリットをしっかりと理解したうえで、イデコに挑戦したい…」
 
いろいろと疑問がわいてくるのは当然のことで、なかなか始められないのも理解できます。そこで、今回の記事ではiDeCoにどのようなデメリットがあるのかについて、具体的に解説します。
 
なお、今回はiDeCo(個人型確定拠出年金)のデメリットを全部で10個取り上げます。
 
デメリットが10個もあるとなると身構えてしまう部分もあるかと思いますが、1つずつ理解しそのデメリットへの対処方法を整理していけば、恐れることはありません。
 
そして、デメリットをしのぐメリットがあるというのが私の結論です。
 
それでは、さっそくデメリットについて確認していきましょう。最後までご覧いただき、iDeCoについての理解を深め、iDeCoを利用するきっかけにしていただければ幸いです。
 
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個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリット【全部で10個】

60歳になるまで引き出せない(流動性が犠牲になる)

iDeCoで運用した資金は、原則60歳まで引き出すことができません。これがiDeCoのもっとも大きなデメリットになります。

60歳までの間は、運用資金が拘束されます。条件次第では脱退一時金を受け取れる可能性もありますが、手続きも面倒ですし、基本的にはダメと考えておきましょう。

仮に何らかの理由で途中で解約したい、引き出したいと思ってもそれができません。流動性の観点から言えば、預金や株式などと比べれば明らかに劣ります。なのでどうしても流動性を確保したいのであれば、他の金融商品で運用する以外にありません。

 

簡単に引き出せないことは、考えようによってはメリットです。老後資金として積立てているものが、気軽に引き出せてしまっては確実な資産形成にはつながりません。
 

掛金は全額所得控除になるのでできる限り資金を投入するほうがベターです。

ただし、やりすぎてしまって生活に支障をきたすようでは本末転倒ですので、掛金の拠出額については家計の事情によるとしか言えません。他の資産運用と同じく、あくまで余裕資金でやるべきです。

 

口座の維持に手数料がかかる

iDeCoで運用する際、運用中は所定の手数料が発生します。おもに金融機関に支払う口座維持手数料と、国民年金基金連合会に支払う手数料があります。

金融機関の選び方によっては口座の維持手数料を節約することが可能ですが、国民年金基金連合会という国の機関への手数料は固定でかかってしまいます。

また、金融商品によってはその商品そのものに運用コストがかかる場合があります(投資信託であれば信託報酬)。掛金の多少にかかわらず固定でかかってくる経費になるので、積立額があまりにも少ないようだと手数料が割高になってしまう場合も多々あります。

対策としては、ネット証券などできるだけ口座維持手数料が割安な金融機関を選ぶことです。また、掛金をできるだけ大きくして所得控除の恩恵を最大限に生かし、手数料率を下げるのが王道です。

 

引き出す際に税金がかかる

iDeCoで積み立てたお金を受け取る場合は、所定の税金がかかります。ざっくり説明すると、まとめて受け取る場合は「退職所得控除」、分割で受け取る場合は「公的年金等控除」となります。

受け取る場合でも控除が適用される部分についてはメリットとして語られる場合も多いようですが、よくよく考えてみると、自分で積み立てた自分のお金を受け取るときに、控除適用と言っても税金(手数料)が徴収されるわけですから、腑に落ちないところもありますよね…

 

投資の上限金額が決まっている

デメリットというよりも仕組み上の制約なのですが、iDeCoでは毎月積み立てられる金額に上限が設定されています。

どんなに生活に余裕があっても、上限を超えての掛金拠出はできません。

掛金が全額控除になるのは国側にとっては税収減の要因であり、制約を設けること自体はやむ負えないことだと理解はできます。

もっともこの掛金の上限額については、将来的に拡大する方向で動いています。

少子高齢化と人口減少で公的年金の先行きに不安が増していく中、自助努力を促す仕組みとしてiDeCoでの運用機会を拡大させる方針は、今後も強化されていきそうです。

 

 

運用次第では元本割れのリスクがある

iDeCoはあくまで拠出額が確定している年金なので、給付額についてはなんら保障されていません。

定期預金型などの元本確保商品を選択した場合は別ですが、基本的に運用中の投資リスクは加入者自身が負うことになるので、結果として損をする可能性があります。

 

投資対象を幅広く分散させたうえで運用期間を長めにとればリスクは減っていきますが、あくまで減らすことが期待できる程度のことであり、絶対に損をしないとは言い切れません。

 

そういったものであることを十分に念頭に置き、それでも収益を狙っていくのか、安全に元本型の商品に絞って運用していくのかを判断する必要があります。

 

運用商品・運用方針は自分で管理する必要がある

iDeCoで運用していく金融商品は自分で選択しなければなりません。また運用商品や積立額の変更についてもその都度、自分で指示していくことになります。

運用の自由度が高いことは魅力的である一方、裏を返せば自分で判断しなければならない局面が多いということです。メンドクサク感じる人にとってはストレスになります。

 

加入年齢の制約がある(開始年齢によっては長期運用ができない)

iDeCoは加入できる年齢は60歳未満と決められています(注:法改正の議論が進んでおり近い将来65歳までの積立が可能になる予定)。

長期投資は運用の基本ですが、60歳までしか加入できない点については明らかにデメリットです。仮に始めるのが50歳であれば、残り10年間しか運用期間を確保できません。

運用期間が短いと投資結果のリスク(振れ幅)が大きくなるばかりか、「掛金控除」のメリットも十分に生かしきれなくなります。

近い将来、法改正が進んで加入可能期間が延びる可能性は大いにありますが、今のところはとにかく早めに運用をスタートさせることに尽きます。

少なくとも運用期間が20年以上確保できる40歳以下の方であれば、迷う必要はないでしょう。

開始時の手続きがやや煩雑で億劫になる

iDeCoを始めるには、アカウントを保有している証券会社の中にiDeCo専用の口座を開設することが必要ですが、はっきり言って手続きは面倒です。

 

口座の開設には、「本人確認書類」「個人型年金加入申込書」「加入確認書」「事業主の証明書」が必要ですが、私の場合は事業主の証明書がスムーズに取れずに(会社の総務がiDeCoをあまり理解していなかった)、口座開設までにかなり時間を要しました。
 

この辺の事情は、会社の担当者がどこまで制度に精通しているか、会社がどこまでiDeCoの加入を後押ししているかによるとしか言えません。

面倒だったとしても、初めの一度だけですからそこは割り切りましょう。

 

金融機関が用意する商品ラインナップには地雷がある

上記で、金融商品は自分で選択しなければならないことを指摘しましたが、商品のラインナップは金融機関によって異なっているので、注意が必要です。

中には絶対に選んではいけないような高コストの投資信託や、まったく分散が効いていないようなリスク商品も混在しています。

当然ですが、こういった地雷商品を選択してしまうと運用で失敗する可能性が高まります。

地雷商品を正確に判断することは困難ですが、明らかに選んではいけないモノについては、ある程度振り分けることができます。

 

◆ 他の商品と比較して信託報酬が明らかに高い
◆ 投資対象が十分に分散されていない
◆ 運用実績・運用規模が十分ではない

 

また、地雷とまではいきませんが、せっかくのiDeCoなのに元本確保型の商品(定期預金など)を選んでいては、節税メリットを最大限に享受できません。

 

金融機関が破綻したら全額保護されない可能性がある

iDeCoで運用している資金については、たとえ販売会社や運用会社が破綻しても全額保護されます。

加入者が拠出したお金は信託銀行へと移管されており、仮にその信託銀行が破綻した場合でも、拠出者の資金は分別管理されているからです。この分別管理は、信託会社の義務となっています。

よって基本的には問題ないわけですが、例外があります。それは元本が保証されている商品を選んでいる場合。

例えば定期預金型の商品については、ペイオフ(預金保護制度)の対象となるため元本1000万円とその利息分だけしか保護されません。

また仮に同じ金融機関(銀行など)に預金を別においているのであれば、その分を合計して1000万円までしか保護されないことに注意が必要です。

保護されていない部分については残った財産の状況に応じて支払いが決まるため、元本の一部が戻ってこない可能性があります。

保険商品型の金融商品についても、保険会社が破綻した場合、大半の部分については責任準備金制度というセーフティネットで保護されますが、一部の資金が戻ってこない可能性があります。

もっともこれらはiDeCo固有のデメリットではなく、通常に運用していてもさらされているリスクになりますので、その点は留意する必要があります。

 

【結論】iDeCoはデメリットをよく理解したうえで始めれば怖くない

デメリットをしのぐメリットがあるのは間違いない

以上解説した通り、iDeCoにはさまざまなデメリットが存在します。私が思いついたのは紹介した10ケースですが、他にもないとは言い切れません。

例えば専業主婦の場合など所得がない方がiDeCoを始める場合、最大のメリットである掛金控除が生かせません。

それでも総合的に考えればメリットのほうが大きく、やらない手はないと考えます。

 
メリット1 掛金の全額が所得控除(所得税・住民税が安くなる)
メリット2 運用益が非課税(通常であれば運用益に対して20.315%が課税)
メリット3 受取時にも控除枠あり(退職所得控除もしくは公的年金等控除)
 
多くの専門家はiDeCoの利用を推奨していますし、私も使うべきだと思います。政府が用意してくれた有利な仕組みなのは間違いがなく、普通に運用するより単純にトクです。
 
 
 
 

 

まとめ

今回はiDeCo(個人型確定拠出年金)のデメリットを全部で10個取り上げて解説しました。

 

  1. 60歳になるまで引き出せない(流動性が犠牲になる)
  2. 口座の維持に手数料がかかる
  3. 引き出す際に税金がかかる
  4. 投資の上限金額が決まっている
  5. 運用次第では元本割れのリスクがある
  6. 運用商品・運用方針は自分で管理する必要がある
  7. 加入年齢の制約がある(開始年齢によっては長期運用ができない)
  8. 開始時の手続きがやや煩雑で億劫になる
  9. 金融機関が用意する商品ラインナップには地雷がある
  10. 金融機関が破綻したら全額保護されない可能性がある

 

iDeCoを利用する際は、それぞれのデメリットを理解したうえで始めることが重要です。

また、たとえデメリットを理解したとしても、それによって運用の成果が保障されるわけではありませんので、最終的には自己責任です。

…とはいえ、節税のメリットはやはり大きく、また肝心の運用についても「長期で運用する」「投資対象が分散された商品で運用する」「低コスト商品で運用する」という3つを愚直に守っていれば、将来的なリターンは十分期待できます。

 

当ブログでも定期的に私の運用成績を公開していますので、ぜひ参考にしてみてください!

 

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