【悲報】政府が高所得世帯に対する児童手当の減額(特別給付のカット)を検討

時事(マネー系)

政府(与党)が、主に高所得世帯に対する児童手当の減額を検討しているようです。

 政府は、共働きで高所得世帯の児童手当について減額する検討に入った。高所得の世帯主は減額支給されているが、この年収の判定基準を「世帯主」から「夫婦の合計」に変更する方向だ。共働き世帯の増加に対応したもので、「所得が高い」と判定されて減額となる夫婦が増える見込みだ(毎日新聞より引用)

 

今回減額が検討されているのは、高所得者世帯に支給されている特別給付と呼ばれる児童手当(正確には児童手当の代わりとして支給されている給付)です。この特別に給付している部分を普通に戻す、つまり支給しなくするという話です。

この話を理解するために、現在の児童手当の仕組みと今回の報道の内容について確認していきます。

 

スポンサーリンク

高所得世帯に対する児童手当の減額を検討

現在の児童手当の仕組み

現在の児童手当の仕組みについてざっくりと確認します。

まず支給対象者ですが、これは児童を養育している世帯主になります。この場合の児童とは0歳から15歳を指しますが、終わりは15歳の誕生日月ではなく、中学校の卒業の時(3月)というのがポイントです。つまり支給額に限ってみれば4月生まれはトクしますが、3月生まれはソンをする制度です。

支給額は0歳~2歳までが月額1.5万円。3歳以上は月1万円です。支給月は2月、6月、10月の年3回でそれぞれ4か月分がまとめて支給されます。

なお扶養人数に応じてそれぞれ以下の表の通りの所得制限があり、この所得を超える場合には通常の児童手当額は支給されず、特例給付して児童1人につき月額5,000円されます。

扶養親族等の数所得額(単位:万円)収入額(単位:万円)
0人622833.3
1人660875.6
2人698917.8
3人736960
4人7741002.1
5人8121042.1

 

政府は今回、この特例給付すらも削ろうというわけですね。。。

 

報道の内容

報道の内容を確認します。

大義名分としては、現在でも(特に都市部で)解消されない待機児童問題について、保育園の新設経費などを確保する目的から、特例給付を廃止することでそこから浮いてくる金額を財源として捻出するということのようです。
 
そして所得制限を適用する対象を、世帯主(稼ぎ手)から世帯全体の収入を合算する方式へ切り替えることで、不支給世帯を増やそうという試みのようです。
 
報道の中では、共働き世帯の増加に伴い世帯全体の年収で所得制限の基準を判断しないと不公平だ…という声が上がっていたとありますが、その根拠となったソースはどこにも示されていませんし、所管する内閣府のホームページにはそもそも今回の報道内容についてのプレリリースもあがっておらず、個人的には憶測や屁理屈の類のような気がします。
 

 

目的:待機児童を解消させるための予算を確保するため
手段:所得制限を超える場合に支給している「特例給付」を廃止
※世帯主(稼ぎ手)から世帯全体の収入を合算する方式へ切り替え
時期:来年度中
 

少子化対策に関連する予算は確実に増えているが…

ネット上では、「政府は少子化対策をする気がない」「努力して所得をあげている世帯のやる気をそぐものだ」「高齢者の保険料を上げるのが先」というニュアンスのコメントが目立ちます。

わたしも子育て中ということもあって最初は同じように考えましたが、ここでいったん冷静になってみることをおすすめします。

実は少子化対策に関連する予算は、毎年のように増額されており、金額面だけを見れば決して子どもにかける予算が削られているというわけではありません。

たとえば平成20年の少子化対策予算は約1.6兆円でしたが、平成26年には倍以上の約3.5兆円になっています(内閣府:諸外国の家族関係政府支出・高齢関係政府支出と合計特殊出生率の関係より)。

また、ご存じのように令和元年の10月からは幼児教育の無償化も実現しています。さらには不妊治療に対する助成金の拡大や、それよりもさらに踏み込んで保険適用にしようという議論も進んでいます。与党公明党にいたっては出産一時金の増額(42万円から50万円に増額)を主張しています。

諸外国に比べて、高齢者予算に比べて…というように、比較の対象によっては見劣りする部分があるのは事実ですが、すくなくとも一方的に子育て世帯がイジメられているというのは違う気がします(私の家も幼児教育の無償化が適用されており、政策の恩恵を感じています)

一番の問題点は予算の規模ではなく、それに見合った成果がまったく見えないということ。

ただし、これだけ価値観が多様化している世の中ですから、そもそも「結婚」や「出産」を前提としている常識自体が崩れていますし、いくら経済的に余裕があっても、それは変わらないのではないでしょうか。

経済的に不安がなくなれば所帯を持つ人が増えるし、出産を考える人も増える…という主張をする人もいますが、その理屈だと「豊かな先進国が少子化になって、貧しい途上国は人口が増える」という事実に矛盾します。

 

我が家への影響

高所得世帯でないため、影響はなったくなし。

良くも悪くも所得制限にかかるようなラインには箸にも棒にもかかりません(笑)。専業主婦なので、世帯を合算しようが一緒です。

これが特例給付の対象世帯であれば、5000円×12ヵ月×2人の計算になるので年間12万円の減収ということになります。私が当事者だったら、イラっとしますね。

いくら税の役割の一つが「所得の再分配」ということだと理屈ではわかっていたとしても、「取られるだけ取られて恩恵ナシ」と感じるのは普通だと思います。

 

改正児童手当法が成立 高所得世帯の特例給付廃止

追記です。

結局どうなったの?という話ですが、2021年5月21日に国会で参院本会議が開かれ、賛成多数で改正児童手当法が可決・成立されました。

結果、2022年10月支給分から支給を取りやめるとのこと。影響を受けるのは、下の子が中学2年生のご家庭ということになります。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました