私自身、資産形成の中心はインデックスファンドを使った、長期・積立・分散投資を行っています。
最小の労力で、平均的なリターンを狙うという投資手法は、合理的で理にかなっていると思っていますので、今後もインデックスファンドは積極的に活用していく考えです。
一方で、インデックス投資にも弱点というか知っておいたほうがよい事実はあります。中でも、意外と語られることが少ないのが、株価が上がった割高な銘柄ほど多く買い込んでいくという仕組み。
インデックス投資家の多くは「市場平均を買っている」と考えていますが、その中身を見ていくと、実はかなり特徴的な運用ルールで成り立っています。
今回は、インデックス投資のメリットを認めたうえで、その構造的な弱点について考えてみたいと思います。
インデックス投資はどうやって銘柄を選んでいるのか

S&P500やオルカン(全世界株式)などのインデックスファンドは、基本的に「時価総額加重平均」という仕組みで運用されています。
簡単に言うと、企業価値が大きい会社ほど多く保有する仕組みです。
| 企業 | 時価総額 | 保有割合 |
|---|---|---|
| A社 | 100兆円 | 大 |
| B社 | 50兆円 | 中 |
| C社 | 10兆円 | 小 |
この仕組み自体は合理的です。世界を代表する企業を多く保有し、小さな企業は少なめに保有するという考え方だからです。
しかし、この仕組みには一つの避けられない特徴があります。株価が上昇した企業ほど、さらに多く保有することになるという点です。
株価が上がるほど買い増す仕組み
例えば、ある企業の株価が急上昇した場合、当然、時価総額も増えます。するとインデックス内での比率も上昇します。結果として、ファンドはその企業をより多く保有することになります。
つまりインデックス投資は、構造上、
- 安くなったから買う
- 割安だから買う
ではなく、
- 大きくなったから買う
- 上がったから買う
という仕組み。
個別株投資家の感覚からすると、少し不思議に感じるかもしれません。
最近の米国株市場で起きていること

近年の米国市場では、巨大IT企業が市場をけん引しています。
- Apple
- Microsoft
- NVIDIA
- Amazon
- Meta
- Alphabet
これらの企業は優れた企業であることに異論はありませんが、しかし株価が大きく上昇した結果、S&P500に占める割合もかつてないほど高まっています。
その結果、S&P500へ分散投資しているつもりでも、実際には巨大IT企業の影響をかなり受ける状態になっています。極端な言い方をすれば、500社に分散しているようでいて、リターンの大部分を一握りの超大型企業が左右している状態とも言えます。
同じことは、半導体銘柄が好調な日経平均株価にも言えますね。
ここで気になるのが、「人気銘柄ばかりを大きく買う仕組みなら、バブルを助長するのではないか」という点。実際、過去にはITバブルの崩壊など、似たような現象が度々ありました。
つまりインデックス投資は、構造上、バブルを事前に回避することはできないということです。
それでもインデックス投資が強い理由

ここまで読むと、インデックス投資は危険だと思うかもしれませんが、しかし、実はここが面白いところです。そしてこの仕組みが、インデックス投資最大の強みでもあると思っています。
例えばAppleやMicrosoftは、過去何度も「もう高すぎる」と言われてきました。NVIDIAも同様です。現在、日経平均株価を牽引しているユニクロやソフトバンク、キオクシアなどの値嵩株も割高に感じる人が一定数います。
しかし今後の結果は誰にもわかりませんし、実際にはさらにここから一段階大きく成長するかもしれません。
こういった状況の場合、個別株投資家は途中で利益確定してしまうことがありますが、インデックスファンド(インデックス投資家)はバブルが弾けるまで勝者企業を保有し続けます(厳密にいうとその後も保有は続きます)。
これは長期的なリターンを押し上げる非常に大きな要因になっています。
まとめ
私はインデックス投資が資産形成の中心であり続けるべきだと思っています。ただし、「分散しているから安心」と思考停止するのも危険です。
投資信託の名前だけを見るのではなく、実際にどの国へ投資しているのか、どの企業の比率が高いのかを定期的に確認することは重要でしょう。
そしてインデックス投資は非常に優れた仕組みですが、万能ではありません。
その仕組みを理解した上で保有することこそが、長期投資家にとって本当の意味でのリスク管理なのではないでしょうか。
- インデックス投資は時価総額加重で運用される
- 株価が上がった企業ほど保有比率が高くなる
- 不適当な銘柄(バブル企業、不祥事企業など)も自動的に組み入れられてしまう
- 一方で勝者企業を持ち続けられる強みもある
























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