積立リバランスの限界(コスト的には有利だが速効性に欠ける)

投資信託・ETF

現状のアセットアロケーションが理想とする比率と乖離している場合、修正する方法は大きく分けると2つあります。

 

1 比率の高い資産を売り、比率の低い資産を買い増す
2 比率の高い資産への投資を抑え、低い資産を買い増す

1は純粋なリバランス、2は積立リバランスという位置づけです。

純粋なリバランスの場合、なんと言ってもメリットは一気に理想のポートフォリオに近づけることです。反面、「売り」という行為が発生するので、利益が出ていれば税金の負担が、それ以外の場合でも解約時に信託財産留保額という費用がかかります。また、ファンドによっては新たに買い付ける際の費用も発生します。

それに対して積立リバランスであれば、売却コストがかからない為コスト的にはやや有利です。ですので私の場合は、積立額の増減によってリバランスを実施し、ポートフォリオをコントロールしてきました。

一般論になりますが、元本(投下資金)が増えるに従い、積立リバランスでコントロールできる比率は、小さくなります。

元本が10万円であれば、1万円の追加投資が大きな意味を持ちますが、元本が100万円であれば、影響力が小さくなります。それ以上に元本が増えると、比率として1%を切ってくるので、見方によっては誤差という程度の影響力(つまり影響力がほとんどない)になってしまいます。

この比率を維持するには、リバランス対象とするターゲット資産への投下資金を増額させるしかありませんが、かなり厳しい。

海外株式の比率を5%上げようと思ったとしても、それこそ数十万単位の一括増額が必要となります。それってもう積立投資ではなく、一括投資になりますよね。

ですので自己矛盾に陥ります。

前述のコストの問題もありますが、「資産運法規則」で定めているとおり、長期投資という目線と、バイ&ホールド戦略を基本としているので、売りという行為については、なるだけ取りたくありません。

売りたくないけど、売りを伴うリバランスを実行しないと、理想のアセットアロケーションに近づけない…或いは近づくまでに相当の時間を要する…そんな状況です。

加えて、リスク資産の基準価格は日々変動しているので、このことも積立リバランスだけでのコントロールを困難にさせます。

市場の先行きを予測することは不可能なので、予測できないものとして考えることが有効であると思いますが、結局、アセットアロケーションについても完全にはコントロールができないものと認識するほうが良さそうです。

それにそもそも、目標としているポートフォリオが最適なものなのかどうかもわかりません。そんな曖昧なものに対して、固執する必要はあるのか…といわれればNOだと思います。緩やかに方向性だ
けを定めて、その舵取りだけを誤らないようにすれば、良いと割り切ったほうがいい。

 

◆ ある程度の方向性を決めて、それに向かって積立額を修正していく
◆ 目標を達成することや、達成する時期に固執しない
◆ 大事なのは目標の達成ではなく、針路を見誤らないこと
 
 
いろいろ書いていますが、なんか言い訳みたいになってしまいました。でもこういったことを悩みながら投資をしていくのは、楽しいですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました