15年以上資産運用をしていると、たびたび悩むテーマがあります。
「特定口座の古い投資信託、そろそろ整理した方がいいのでは?」
最近はeMAXIS Slimシリーズをはじめ、超低コストなインデックスファンドが主流。一方、2000年代後半〜2010年代前半に投資を始めた人なら、今より信託報酬が高いファンドを保有しているケースも多いはず。
私もまさにそうです。2008年から積み立ててきた特定口座のファンドには、ありがたいことに大きな含み益が乗っています。
ただ、資産が育ってくると、こんな感情も出てきます。
「同じアセットクラスなら、もっと低コストのファンドにしたい」
「似たようなファンドが多いから整理したい」
でも、ここで立ちはだかるのが「税金」。特定口座で利益確定すると、利益部分に約20.315%の税金がかかります。しかも私の場合、新NISA枠は旧NISAからの移行や新規投資でほぼ埋まる計算。
つまり、売却したとしても、結局は「特定口座で買い直し」になります。
税金を払ってまで、乗り換える意味はあるのか?

税の繰延効果を捨ててまで、低コストファンドに乗り換える必然性はあるのか?一方で、ファンドを整理していきたいという感情もあります。
そこで一時の感情や自分の計算ミスで不合理な判断をしないよう、AIに定量分析させてみました。
分析対象は、私が特定口座で保有しているすべてのファンドです。
まずは特定口座ファンドを一覧化
最初に、現在の保有ファンドを整理しました。
今回は単純な評価額だけではなく、以下まで一覧化しています。
- ファンド名
- 元金
- 評価額
- 含み益
- 損益率
- 現在の信託報酬
- より低廉な代替ファンドの信託報酬
まずは現状把握です。

改めて見ると、含み益は約2,373万円。投下元本約962万円が、評価額約3,336万円まで育ちました。仮に全売却すると、税金だけで約480万円規模。さすがに重く感じます。
一方で信託報酬が0.5%を超えるファンドがあるなど、端的に言って「時代に取り残された」ファンドがあることも事実です。もちろん現在は新規積立を停止していますので、完全放置です。
AIに分析させた内容
分析テーマは次の2つです。
① 税の繰延効果 vs 低信託報酬ファンドのメリット
ここが最大のポイントです。
税金は単なる支出ではありません。税金を払うということは、「本来運用できたはずの元本」を失うということでもあります。
例えば、含み益600万円のファンドを売却すると、税金は約122万円。もしこの122万円を年率5%で運用できたとすると、20年後には約323万円。
税金を払う=未来の複利を失う これが、いわゆる「税の繰延効果」です。
一方、低コストファンドへ乗り換えるメリットもあります。例えば信託報酬差が0.3%なら、100万円あたり年間3,000円改善します。
② 利益確定で元本が減る。その回収に何年かかるか
今回、もう一つAIに分析させたのがこれです。
「利益確定によって減った元本を、何年で取り戻せるのか?」
これはかなり重要な視点だと思っています。利益を確定させると、その時点で税金を支払うことになるため、元本が小さくなるからです。
例えば、含み益400万円のファンドを売却した場合。税金は約80万円。つまり、再投資できる元本が80万円減る。その代わり、信託報酬が安くなる。
では、そのコスト差で、減った元本を回収するには何年が必要になるのか。
今回は、
- 期待リターン:年率5%
- 税率:20.315%
- 特定口座で買い直し
- 分配金考慮なし
という条件でAIに試算させました。
分析結果:思った以上に「売れない」
正直、分析前はこう思っていました。
「利益の絶対額が大きいものを中心に半分ぐらいは放置で、残りは売却検討可能か?」
でも、AI分析の結果はかなり意外でした。
結論から言うと、思った以上に売れない。
特に、(これは予想していたことですが)含み益が大きいファンドほど厳しい。税の繰延効果が強すぎるからです。
では、AI分析の結論を見てみます。

結論

比較的売却しやすいと判断されたのは、iFree NYダウ・インデックス のみでした。理由はシンプルで、まだ金額が比較的小さいから。つまり、利益確定時の税金ダメージが限定的であり、信託報酬差が比較的大きいという点を評価したようです。
そしてこれ以外のファンドはすべて放置推奨、中には絶対に放置すべきとの結論が出力されたものもありました。
税金だけ払って、メリットはほぼなし。「昔は優秀だった古参ファンド」として今後も放置し、場合によっては老後まで持つ必要がありそうです。
もちろん、利益が全部吹っ飛ぶような暴落局面が来たら、その時がファンドを整理できるチャンスかもしれませんが。
まとめ:投資は「買う」より「売る」が難しい

今回、AI分析を通じて感じたのは、投資は「買う」より「売る」が難しいということです。
信託報酬だけを見れば、低コストファンドへ乗り換えたくなる。でも、税の繰延効果を考えると、意外と「そのまま持つ」が合理的だったりする。
今回のAI分析では、「小さくて整理価値が高いものだけ売る」という結論になりました。感情だけで整理するのではなく、税金・信託報酬・繰延効果・回収年数を細かく分析して、その結果を自分なりに考察できたことは良かったと思います。
























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